2話:1018年・初夏

・鰯外家の初代北辰ほくしんと、息子の天進てんしんが屋敷へ到着
・九重楼で七天斎八起を撃破
北辰宇佐ノ茶々丸と交神

❖北辰:0歳10ヶ月 天進:0歳7ヶ月

6月です。初めて経験する初夏の蒸し暑さにビビって「なに、この気温…」って親子が顔を見合わせる季節になりました。
二人とも、これが夏というものですよ。夏の着物や寝具を揃えて暑さに備えておいてくださいね。


投資のおかげで鰯外京の店の品揃えも2段階ほど充実してるからね。


衣替えの買い物をしつつ、ついでに道具屋も覗いてみます。
あっ、結界印と裏返しの符が入荷してる!大事大事、資金が許す限りしっかり買い溜めしときましょ。

6月 白骨城①

さて北辰様の2番目のお子様が来るまで一ヶ月かかるし、その間に未踏の迷宮も見ておきたい。
もちろん戦って戦勝点&奉納点も稼ぎたい。

ということで今月は白骨城に向かいます。


夏の間だけ現れる不思議な城。
建築基準法をめちゃくちゃ無視してるアヴァンギャルドなフォルム。


また君か。
前回出会った時「振動してて怖い」とか悪口言われて不機嫌なのか、無言で睨んでくるスケスケの人。
ゴメンって。なにか喋ってって。(黄川人くん講座、いつもボタン連打しながら撮影するので写真写り最悪になりがち)


なんとか黄川人くんを宥めたらいよいよ迷宮へ。赤火は…無しか~。

いや!ここに来たからには、みんなが大好き速瀬の巻物をなんとしてでも取らなければなりません!

そのためには急いで城の四ノ丸まで登り、時間の許す限り速瀬持ちの鬼を連戦で狩りまくらなければ。
速瀬くださいお邪魔します!


「白骨城にようこそ!」って歓迎してるのか知らんけど、青火なのに初戦でなんと風属性槍・笹ノ葉丸が落ちました!うわああ!これは嬉しい!

ルーレットの第1スロットにある笹ノ葉丸が青火の時にポロッと落ちるなんて滅多にないよ!(他俺屍プレイヤー様の検証結果、なんでも1.4%ちょっとの確率だとか)
北辰様の今月の運勢は間違いなく★5つですね。めちゃくちゃ豪運です。

これに比べたら第2スロットにある速瀬の術なんか、恐るるに足らず!!


よし!いたな、乗馬納豆(速瀬持ち)編成チーム。我々はお前に会いに来た!

ではスロット~…スタート!(カララララララ~)


テン!


テン!


テン!


テテン!


はい。

*******


北辰「…」
天進「イツ花ちゃん…ごめん、今は聞かないであげて?」

7月 白骨城②

笹ノ葉丸で全ての運を使い果たした北辰様、速瀬の巻物にはメチャクチャ逃げられまくってちょっと無口になって戻って来ました。


当主様、元気出してくださいネ。今日は待ちに待ったお子様がやって来る日なンですから!


イツ花ちゃんも気を使ってちょっとヨイショ発言してる。
あ、女の子ですって!天進の妹ちゃんの誕生ですね。


あら~!イツ花の言う通り、サラサラの髪も金色の目も北辰様によく似た美少女!

彼女は前衛職にするつもりなので剣士か薙刀しか選べないんだけど、こんな色白で美しい子には可憐な薙刀士になってもらおうか?

そうそう、この子のステータスをちゃんとチェックしなくちゃね。


そうだなぁ、名前は地咲(ちさき)にしようかな。

お兄ちゃんの名前に天の字が付いてるので、ペアっぽく。
きっと大地に咲く可憐な花のような、可愛らしい薙刀士に…

薙刀士…に…… ん?


ん??


信条:喧嘩上等


「薙刀?どうせだったら腕っぷしで鬼を斬りまくる剣士になりたい!」


と本人が腕まくって言ったようなので、職業は急遽変更となりました。
北辰様に続いて2人目の女性剣士誕生です。

*******


地咲の職業も決まったので、母と息子は再び白骨城へ挑みます。

地咲はお留守番しながらしっかり自習しておくんだぞ。
できれば来月は訓練を付けてあげたいんだけど、速瀬奪取のためなら討伐続行も辞さない覚悟です。


と入場したら、ちょうどいい場所に赤い火が点灯した!やったぁ!
北辰様、今月こそ運勢バッチリ★5つ間違いなしです!当家初の赤火、しっかり活用させてもらうぜ。


先月同様ダッシュで四ノ丸に駆け上がり、狂乱の赤火祭り開催!
木霊の弓2本取りだ!やっほー!

…(ハッ)じゃないっ!木霊の弓はすごい嬉しいけど違うんだ、当家はあれが欲しいんだ!


そうそう!これー!!!(木霊の弓くんは一体いくつ落ちるのよ)


とりゃあっ!!


取った!先月ショックで萎れていた北辰様もこれでにっこり笑顔です。

天進「よかったね、母さん。いい土産もできたし火時計もそろそろ終わるよ。今月は早く帰って自由時間ってことに…」

北辰「天進、なにを言ってる?2ヶ月籠もるのも辞さない覚悟で来たのに赤い火を引き当てて、たったひと月で目当ての巻物を取れたんだ。今月の母さんはツイてるぞ。★5つだぞ。絶対に…勝てる!」


「勝つって何がよ?どこ行く?は??」困惑しながら呼び止める息子の声などどこ吹く風で


北辰「なんかいけそうな気がする」
天進「アホじゃないの!?


たったの二人で恨み足にチャレンジ!硬いかなぁ、硬いだろうなあ。
いやでもなんたって今月の北辰様は★5つの豪運ですから!

いけるいける!たぶんきっと大丈夫!



まずはダルマさんの時と同様に源太パパの力を借りまして…(見えにくいけど405ダメージ)


げーっ!こいつ★5つの北辰様を素通りして平凡な運勢の息子を蹴った!
天進「いってええぇぇ!!」


後列で206ダメージとか!危ない危ない、回復回復!常盤ノ秘薬飲んで!


自分でも携帯袋を漁ってて気づいたのか、持ってきていた鬼毒の符を速攻で進言する天進。

これはいい判断ですね。
手数が少ない少人数でのボス戦では、毎ターンダメージを与える毒はめちゃくちゃ役に立つからね。


毒が入って激痛なのか、力を込め直す骨の足。
これは危ない、防御!総員防御ー!!


118ダメージ!防御している北辰様でもこのダメージ!

天進は前に出ないで嵐火の符を使うんだ。
母さんがこんなやつ切り捨ててやる!くらえいっ!


ぺちーん

だめだ、全然ダメージ通ってない。これはかなり長期戦になりそうな気配。
でもあまり引き伸ばすと、泉源氏しか唱えられない北辰様と天進では回復が間に合わない!薬の残数も心もとない!

ならば短期戦に持ち込むため火術の併せ…いや、天進はまだ赤玉しか唱えられないし、詠唱中に力溜め状態で蹴られたらどちらも一撃死ありうるぞ。

うぅーん、どうしようかな、どうしようかな…と北辰様とプレイヤーが頭を捻った時に、

ボフッ!


がしゃーーーん!

北辰「んんっ?なにがおこった??」

最初は意味がわからなかったんだけど、そっか、これさっき天進の符で効かせた毒か!
悩んでる北辰様をさっさと蹴り殺そうと足を上げた恨み足、その動きで毒が回って勝手に自滅したんだ。

よっしゃー!ちょっと卑怯っぽいけど勝てばいいのだ、勝てば!

北辰「…なっ、言っただろう?今月の母さんの運勢は、間違いなく★5つだ!」
天進「運勢っていうか、全部オレの機転のおかげだったよね?」

「オレの母さん、世間知らず過ぎて度胸があるというより無鉄砲でおっかない」って意識が天進に芽生えた出来事でした。


今後の討伐方針、落ち着いてじっくり考えていこうね。(主に天進が)


❖頼んだぞ、振り回され系イケメン息子よ

※一族らくがきは楽しいけど時間がかかるので、描けたら後から追加で載せていきますよ

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