1021年 冬~春

・1021年2月 四代目当主 龍月の手記


今月は未踏の地、紅蓮の祠に向かう


初めて向かう迷宮だけど、梅乃と綾梅が十分に鍛錬を積んでくれていたお陰で危なげなく進めている

二人とも本当に強くなったな
延々と喋っている時は、本当に街の娘と変わらない普通の女の子に見えるのに



炎舞廊まで出たところで奥から突っ込んできた鬼神・鳴神小太郎が、今まであれほど縁が無かった燃える拳をあっさり落としてくれた




過去に何度も九重楼に登って追い求めていた頃は手に入る気配すら無かったのに!
諦めた頃にポロッと寄越してくるなんて神は本当に気まぐれだ


念願だった武器を手にした自分に凄い凄いと笑顔を見せる家族を見て泣きたくなった

でも皆がこうしていつも自分を見ていてくれるなら、自分は顔を上げてただ前へ進んでいけばいい

そう思った

九重楼のゴローズが今まで散々出し渋ってくれていた燃える拳を、小太郎様があっさりくれました!
さすがみんな大好きモエ・ツキヨさん!ステキよー!!(ついでに初見であっさり昇天してしまった!)

火技が得意な龍月にとっては火属性の燃える拳はまさに天の恵みです。
見て、この攻撃力!


てやーっ!!!


てえぇーーーいっ!!!


さらに攻撃力を伸ばそうと考えたのか、次のレベルアップで技の火が60もアップ!

龍月、本当に本気になってるんだ!あぁでも…龍月も八恵もこの体の数値の上がり方…
これは…

・1021年3月 四代目当主 龍月の手記



今月は、どちらに頼むか最後まで迷っていた梅乃か綾梅の交神月だ

正直に言うと二人の元服の儀を見届けている時でさえも、まだどちらに交神してもらうか決めかねていた
しかしギリギリまで悩んでいる自分を見て、そっと耳打ちしてきたイツ花の言葉でやっと心が決まった


綾梅、いろいろと考えてくれていたんだな ありがとう

どうか願わくば、心も体も健やかで強い子達が授かりますように


当家の一族たちは8ヶ月になると「元服の儀」が行われると想像しています。

…といっても大したことはできないので、祝いの盃や縁起物のごちそうでささやかに祝宴を挙げて、交神の間で家族が見守る中イツ花さんが神楽を舞って大人の仲間入りをした一族がいますと神様にご報告してもらうって感じ。


この時、彼女らの母である八恵と当主の龍月の健康度が同時に下がり始めていました。

元服の儀と交神という初めて経験するお祝い事に浮き立ってる梅&梅は、この時はまだ気づいてなかったかもしれないね。
龍月の「健やかで強い子が…」の言葉は、再来月やって来る姪の子供たちと会えないことがわかっている自分から、まだ見ぬ家族へ向けた心からのメッセージです。

・1021年4月 討伐隊長 梅乃の手記


今日は私、梅乃と綾梅ちゃんの二人だけで、親王鎮魂墓討伐です

家を出発する前に気づいたんだけど、龍月おじ様とお母さんの具合…あまり良くないみたいです
綾梅ちゃんとどういう成果があったらお母さん達が安心してくれるか、ずっと相談しながら歩いてきました


こんな見たこともない迷宮で、凄い敵を倒してきたらお母さんもおじ様も喜んでくれるかな?

「絶対無理はしないように」って龍月おじ様に言われたけど…せっかく来たんだし土偶器に挑戦してみます






土偶四体の攻撃はとっても痛くて途中嫌な汗が出たけど、綾梅ちゃんが奥義・鏡返しを次々と発動!


綾梅ちゃんの鏡返しが無かったら負けてたかもしれません
喜ばすどころか泣かせちゃうところでした(この辺はお母さんとおじ様には秘密ね)
本当によかった!

「梅乃ちゃんがいつも双光斬で頑張ってくれてるでしょ?今日は私も頑張ってみたの!」って
綾梅ちゃん、本当にすっごく頑張ったね!!

ありがとう!!

カットしたけど綾梅はこの他にも3回、合計で7回(7回!)ほぼ連続で鏡返しを発動してました。

初手で梅乃が受けたダメージが予想より多かったのでプレイヤーもヒヤッとしたんですが、綾梅もこれ以上怪我させまいと必死だったのかもしれません。

でもまだ若い女の子2人を未踏の迷宮へ送るなんて優しい龍月は心配だったと思います。
「筒の指南書を探すだけでいいから!目標はそれだけでいいから!」って何度も繰り返し言って見送ったんじゃないかな。


そんな心配どこ吹く風で「ただいま!指南書は見つからなかったけど、土偶器は倒してきちゃったー!」なんて報告を受けて、叱っていいやら褒めていいやらでパクパクしたと思います 笑

でも最後は二人のこと、誇らしく思ってくれたのか…龍月らしい遺言を残していってくれました


心が優しくて、本当に優しすぎて、そのせいで沢山傷ついた当主様だったね

大江山でのこと、黄川人のこと、残していかなければならない宝物みたいな家族たちのこと。
本当は全部全部心残りで悔しくて、悲しくて辛かっただろう。
最後くらい弱音吐いてくれたって良かったのに。

でもそんな言葉じゃなく、家族のことだけを見つめた温かい遺言を残していくのが龍月のカッコイイところだよ。
自分じゃ「向いてない」なんて言ってたけど、やっぱりキミはとっても良い当主様でした。

ありがとう、ゆっくりおやすみ。

inserted by FC2 system