1023年 冬②

夜霧と聖汰が二人揃ってほんの少しだけ気の抜けた顔になって戻り、2月になりました。


先月ゲットしてきた倍達の拳を獅央に持たせます。

男性専用装備で全心の値が20ずつアップする、訓練にも役立つ一級品です。取れてよかったー!



ちなみに先月実母のすももから訓練を受けたのは獅央の方。

つまり龍月飛天脚は獅央が継承することになりました。



夜霧と聖汰の健康度はまた一段階下がりました。

知ってるけど。知ってるけど!!
漢方を飲んでこたつで暖かくして、一ヶ月の日々を大事に過ごそうな。

・1023年2月 討伐隊長 すももの手記


父さん達の具合がいよいよヤバい

あまり動くな!と年寄り二人を布団に放り込んで、うちらだけで忘我流水道に潜る



ま、あの人達のことだからうちらが目を離した途端、子供らの訓練でも始めちまうんだろうけどね





とにかく今は集中!
人魚の女と氷ノ皇子とやらを蹴り倒して、少しでもいい土産話を持って帰る!

くるみ、ヘマするんじゃないよ!

真名姫にまた真名姫を一発も撃たせること無く倒してしまいました。
実桜家はなぜか真名姫にとても厳しい。

なぜだ、あんなに可愛いのに!怖いけど!(怖いからだろ)


更に奥に進んで氷ノ皇子の居室にも突っ込みます。

くるみ&すももの価値観では男前=筋肉なので、美丈夫に心奪われることなんてありません。
双子の脳は筋肉でできていますので。



皇子の冷凍睡眠で早々にくるみが凍ったけど、そこはさすがの拳法家!


とっくに手番をもぎ取ってバフ&金剛変は間に合っています!





寝コケたくるみに「情けないね!ま、アタシが心置きなく勝手に大暴れしてやるさ!」とすももが金剛変の力を白鏡で借りて


飛天脚連打!



仙酔酒でくるみを起こす?すももがそんなまだるっこしいことやる訳ありませんね


ほぼタイマンの足蹴りで氷ノ皇子を撃沈してくれた所で討伐は終了です。

皇子、うちの姐さんの足癖が悪くてほんとすみません(菓子折り)



討伐から帰還すると同時に出迎えたイツ花から夜霧の寿命が告げられます。

そして「コレはくるみ様に渡しておく、と当主様が」…とイツ花から差し出される指輪。


努力家で人格者だって言われていた六代目当主の遺言…

もう前半の言葉がすごくズッシリ来たんですよ。
お前そこまで追い詰められていたのかって。

でも最後は「もっと生きたい」って思ったんだね、夜霧。

そう思ってから時間切れまでがあまりに早かったから「無駄だった」って思ったんだろうけど、それでも九重楼で弟と語ったことで「生きたい」って思ったのなら、意味があることだったんだよ。


と、しんみり見送っているとイツ花から氏神進言が出ました。

梅乃と綾梅は天界には昇りませんでしたが、お堅い性格の夜霧は天界からの誘いを断るわけがありませんね。
実桜家初の氏神は夜霧が務めることとなりました。


新当主となったくるみには、さらにもう一つお見送りの仕事が待っています。

父さんのことも、ちゃんと送ろうな。


聖汰の遺言です。

この子の言葉もね~、これ絶対自分と兄ちゃんのことを指して言ってますよね。
口調も聖汰のイメージ通りだし、夜霧の遺言を聞いていたのかな?と思うほど絶妙にシンクロしてるのがまた心憎い。

夜霧と聖汰は性格も才能も秀でている部分も全然違うと思っていたんだけど、「あぁ、この二人やっぱり双子なんだな」って感じたんです。



と、ここで聖汰にも氏神の進言が!!

えー!ほんとですか!!
どうしようかな、聖汰は神様なんてガラじゃないけど、兄ちゃんが先に昇ってるからなー。
行けると知ったら、行くかなぁ。

夜霧が心底驚いて『お前、なんで来たんだ!』って言いそうだけど、聖汰はしれっと『だって兄ちゃんとまだまだ話し足りなかったしさー』って笑いそう。



実桜家で初めて天界へ昇った二柱の氏神様(水神同士なので属性でソートすると席が隣同士だよ)。

でもってこの名前!
夜霧の太師はともかくとしてですね…聖汰、魔神ってなに

氏神名って自己申告で付けてるんだか昼子様が付けてくれるんだか、それとも天の理で勝手に付くんだか…
どのパターンでもいいけど、氏神名に二人の性格がモロに出ていて思わず笑ってしまいました。

今日から頑張って名乗るんだよ、実桜太師様魔神実桜様

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夜霧「お初にお目にかかります。先日昇天して神籍に加わることとなりました、実桜太師です。こちらは同じく昇天した我が弟の…」

聖汰「ふははは!オレは魔神!魔神実桜だーっ!

夜霧「…やっぱり氏神名で自己紹介するの、やめないか」

聖汰「なんで?」

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