1023年 秋(下)

1023年 秋(上) から読む

さて八ツ髪をようやく倒した直後、黄川人に取り込まれたお輪様。
いよいよ阿朱羅戦。最終ラウンドに突入です!


お輪様の最後の力で四人の傷はみるみる塞がります。ありがとうご先祖様…!


初手を獲ったのは先ほど源太様のサポートを務めたビビリのつぼみ。

最初見た時は「この期に及んでまた赤玉の進言?」って笑ってたんだけど、これもしかしてお輪さんに攻撃するのを躊躇ってるのか。


ひとまずどの進言も却下して、まずは太照天の掛け直し!

阿朱羅の術攻撃は単体の黄川人よりもさらに強力。
これが無いと吹き飛んじゃう!!


太照天が唱えられないくるみとすももは梵ピンや速鳥!

ともかく手当たり次第にバフ積んで!


さらに回ってきた手番でもまだ攻撃をためらうつぼみ。

優しくて怖がり。
ほんと実につぼみらしい進言で…攻撃させるの躊躇うじゃんー!



しかし阿朱羅にはナメプ進言に聞こえて癪に障ったらしく、つぼみに執拗に攻撃が!

あっぶない!攻撃はなんとか回避したけど、攻撃力999の阿朱羅の一撃を石猿積みきってない今受けてしまうのはかなり怖い!



とその直後、普段あまりこういう迷進言しない獅央がなぜか連続で野分・赤玉のナメプ進言。

ナンダどうした?
あ、コレもしかして集中攻撃されている姉から阿朱羅の目を自分に逸らさせようとしてやってる?
獅央、いいトコある!お姉ちゃん思い!見直したぞ!


でもそれを見て「アッハッハ!イイねぇ、なんと麗しい姉弟愛!…天に御わすアイツらの分も、キミたちをメチャクチャにしてあげるよ!」って黄川人が本気で怒り狂いそう。



しかしつぼみと獅央をなぶり殺そうと気を取られている隙に、黒鏡、金剛変と自らにハチャメチャな強化を施す実桜家七代目当主くるみ!


この方はこの日、人類最強のキングコングになったのかもしれない。



次々と白鏡でコング化していく一族が阿朱羅に集中猛反撃!



つぼみも弟に殺意を向けられた瞬間、迷いが吹っ切れ本気が出ました。

涙目でも拳はしっかり阿朱羅を捉えています。
頑張れ泣くな、まだ泣くな!!



遂に自分が劣勢状況に陥ってると判断した黄川人。でも…

くるみ「もうどんなに言い訳しても泣いても叫んでも許してはやらないさ。うちの一族からお前が取り上げたもの全て、今ここでキッパリ償ってもらおう!」


とどめの一撃、準備開始!!

黄川人いいかい、よく聞くんだ。


この奥義はね、まだお前の正体が分かる前、お前の境遇に同情して「いつか全て済んだら一緒にあの人の姉さんを探してやろう」って希望を抱えて大江山に挑み


アンタの正体を眼の前で知らされた実桜家四代目当主、お人好しの龍月が!



絶望の末に編み出したものだ!!


その身でしっかりと味わうがいい!!



・1023年9月 七代目当主 くるみの手記

隊長
実桜家七代目当主 錦 こと くるみ
討伐隊
すもも つぼみ 獅央

以上四名
修羅の塔にて朱点童子の打倒に成功
悲願達成

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朱点討伐成功!
双子達による全員集合エンドロールです。



初代親子:
血に酔っ払うと周囲が見えなくなりいつも大怪我していた初代当主の錦&そんな母を死なさないよう、自分も死なないよう冷静に説教しながら見守った長男の宇一



第一双子:
平々凡々で能力も並だけど家族を必死で守っていた秋陽&兄が大好きで最後の最後まで兄の後ろを付いて歩いていたヒヨコみたいな天才少女由梨



第二双子:
中2マインドの強気キャラで家族を振り回したり自分も振りまわってた面白すぎる性格の八恵&強烈な性格の姉の抑え役としていつも周りにペコペコしながらも家族をたくさん愛していた情の深い弟の龍月



第三双子:
花とお喋り大好きで、それ以上に双子の妹が何より大好きだった梅乃&姉にピッタリ寄り添って当主業を二人三脚で支えつつ、最後まで姉を見守ってきた妹の綾梅



第四双子:
弟の天真爛漫さを羨んで、強くならねばと全奥義を習得した誉を得ても複雑な顔をしていた夜霧&優秀な兄を素直に慕って自慢して、同時に兄の葛藤もまた理解していた弟の聖汰



第五双子:
ライバル妹と大喧嘩しつつも二人揃って悲願達成を成し遂げたくるみ&姉を邪険にしつつも命がけの大ピンチになるとちゃんと回復進言もしてくれた素直じゃない妹すもも



第六双子:
弱虫怖がり痛がりビビリだけど実は一番の攻撃力を誇っていた(でも最終戦まで防御進言を忘れない)姉のつぼみ&的確な進言で敵に着実なダメージを積むことを信条とする攻撃マシーン(でも最後に囮の赤玉進言でお姉ちゃん好きが露呈した)弟の獅央

以上、双子一族実桜家!

祝・悲願達成!オーライオーライ!!

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・1037年3月28日 八代目当主 獅央の手記

晴天 午後より薄曇り
早朝、検非違使庁より鬼が現れたとの遣いがあり急行

ここ最近はほぼ姿を見ることも無かったが、大江山方面にはまだ鬼の残党が生息しているとの噂もあるため心積もりをしておくよう追随した門下生にも言い含めた

集落に到着すると、確かに大将らしき大鬼を含めた鬼六匹の群れが確認できた(大将鬼など久々に見た)
しかしどれも地に伏せてビクとも動かず、既に何者かに倒されていた後だった

目撃者が言うには「風のように素早い女の天狗がふたりも現れ、鬼達を屠り尽くしたと思うとあっと言う間に去っていった」と
天狗達は別々の方角から同時刻に駆け込んで、どちらが多く鬼を倒すかでお互い激しく罵り合いながら嵐のように戦っていたそうだ

恐ろしい強さのうえ見分けがつかないほどそっくり同じ顔をしていた
だからあれは人の姿に化けた天狗に違いない、と

まあ被害最小で済んだことは喜ばしい

母上ならびに前当主様も、相変わらず息災なご様子と分かってなにより

そういえば明後日には姪と甥達を連れて姉上が訪ねてくる予定だったか
会ったらまず一番に、この話を伝えてやろうと思う

「武名高き 実桜一族」 おしまい

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